2015.10.20 いのちと心のごはん学2
- 公開日
- 2015/10/20
- 更新日
- 2015/10/20
校長室から
昨日に引き続き、「ちゅうでん教育大賞表彰式」で行われた記念講演で、印象に残ったフレーズを紹介します。(文責・校長)
自分の食生活を見直すきっかけになったとともに、日本人として生まれてきたことに対して、和食の素晴らしさを改めて誇りに思うことができました。
・朝ご飯に、ご飯・味噌汁を食べる家庭は49%で、パン食は51%になった。我々は遺伝子に逆らっている。和食から、洋食の傾向に変わり、病気も、直腸癌、大腸癌、循環器系の病気に変わってきた。36兆円もの医療費を国は負担している。和食を食べた時の医療費と随分違う。
・なぜ、和食を食べなければならないのか。民族の遺伝子である。日本人は、約三千年、ずっと質素なものを食べてきた。日本人が「牛乳」を受けつけないのは、民族の遺伝子。肉に適応できない体になっている。
・「和食の主材」は7つある。「根茎、菜、青果、山菜・茸、大豆、海藻、穀類(米・麦・そば)」である。海藻を食べるのは、日本くらい。ちなみに、韓国に海苔があるのは、日本が教えたから。「肉・魚・卵」は「和食の副材」になる。主材は全て「植物」。日本人は完璧なベジタリアン。
・最近の医学は脳より腸。腸が免疫力を作る。しかし、繊維をたくさん取らないと免疫力が作れない。和食の主材は、植物であるが、植物は繊維でできている。免疫力が高いと、癌細胞や、風邪・インフルエンザウイルスなどを「NK(ナチュラルキラー)細胞」がやっつけてくれる。
・肉のタンパク質は、体に入ると「肉アミノ酸」(悪性菌・酸性)になる。体が酸化すると癌化しやすい。日本医師会が「肉を食べ過ぎるな」というくらい。しかし、繊維があると、悪性菌と一緒に排便してくれる。「焼き肉」より「すき焼き」が理想。すき焼きの材料には、白菜、春菊、きのこ、糸こんにゃく、豆腐など、繊維がたくさん。実は、「すき焼き」は「野菜料理」のジャンルになっているほど。
・動物性タンパク質はエネルギーだが、日本人は、古くから「豆類・穀類・魚」で摂取してきた。和牛のタンパク質は「17〜18%」だが、大豆は「16〜17%」と、ほとんど変わらない。昔、中山道を使った旅路は大変だった。旅籠では、朝・晩に必ず味噌汁を出した。疲れを出さない食事である。プロゴルファーの総会で、「疲れが出ない食事は」と言われ「味噌汁に、豆腐とひきわり納豆を入れ、油揚げを刻んでてんこ盛りにする」と言った。全てが大豆。何人かから「効いています」と礼を言われた。肉汁に肉を入れ、さらに肉を入れ、もっと肉を入れるのと同じ。しかし、コレステロールは「0」。こうして日本人は、昔からスタミナをつけてきた。
・現在、長野県の平均寿命がトップ。過去、死亡率が高かったため、減塩運動をし、和食を食べるようになった。レタス、キャベツ、茸、リンゴ、ブドウ、豆(信州味噌)など、長野ではたくさん生産される。実は、海藻消費県でも第16位である。
・日本は水がいい。いい水だから和食が食べられる。いい水は鉄分が少なく、体が酸化しない。和食は煮る、炊く料理。だからフライパンではなく、鍋が使われる。フライパンは水を飛ばしてしまう。
・「和食」が世界遺産になったが、世界遺産は「保護遺産」。「和食がなくならないように」という意味。和食が希薄になると取り消される恐れもある。子供達に冷静に伝承しないと大変なことになる。