学校日記

2017.4.16 あれから一年が経ちましたが…

公開日
2017/04/16
更新日
2017/04/16

校長室から

4月14日・16日と二度にわたって、熊本地方に大きな地震が発生してから一年が経ちました。
この週末は、そんな熊本地震を特集した、新聞記事、ニュース、テレビ番組などが、多く見られました。
右の写真のように、美しかった熊本城が、大変傷んでいる状態であるのは、多くの人が周知のことでしょう。

そんな中、本日(4/16)付の熊本日日新聞の社説には、以下のようなことが書かれていました。



 熊本地震の影響による精神的な変調を訴える子どもが、継続的に確認されている。注意深い見守りが必要だ。
 熊本市教委が市立の全小中学校で実施している調査では、2月時点で「カウンセリングが必要」とされた児童・生徒は465人だった。「夜眠れない」「イライラする」など17項目を質問。学校での様子などを加味して、カウンセリングの必要性を判断している。
 調査は昨年5月から始まり、1回目では心のケアが必要な子どもは2千人以上いた。時間の経過とともに減少傾向となり、6回目となる今回は、ピーク時の4分の1以下まで減った。
 ただ気になるのは、初めてカウンセリングが必要とされた子どもが毎回、半数前後に上ることだ。今回も465人のうち236人を占めた。潜在していた不調が顕在化したものとみられる。深刻化させないために、初期の段階で臨床心理士による専門的な対応が必要だろう。スクールカウンセラー配置など相談環境の整備が図られているが、今後も長期的な取り組みを続けていきたい。
 熊本地震から1年の節目を迎え、県内では慰霊式や復興イベントが相次ぐ。こうした時期は、当時を思い出して体調を崩す「記念日(アニバーサリー)反応」を起こすこともある。記念日反応とは、心的外傷(トラウマ)を受けた時期が近づくと当時の悲しみなどを思い出し、心身が不調になる状態とされる。落ち着いたように見えても、様子が変わることがあるという。専門家は、安心感を与えるために「地震は過去の出来事と強調し、家族や友人との絆を意識させて」と助言している。(後略)


住んでいた地を離れなければならなくなった人、仮設住宅で暮らさざるを得ない人など、環境面で、今なお、多くの人が、大変な暮らしを強いられています。

しかし、熊本市内に住んでいる小中学生が、今なお、心の面で、大変な思いに強いられているということが分かりました。

そして、こうした4.14や4.16になると、「記念日(アニバーサリー)反応」を起こすこともあるというのですから、大変なことです。当事者にしか分からない苦しみでしょう。

私たちは、これからも、そうした状況であることを知ることが大切でしょう。知ることで、できることがあるからです。知らなければ、当事者の思いに寄り添うことはできません。

時が流れ、熊本城がきちんと整備され、被災された方が、震災前のような暮らしができる日が、一刻も早く来ることを願っています。

(※全文は以下をクリック↓)
熊本日日新聞 社説「子どもの心のケア 震災による変調見守りを」