2017.5.13 歌川広重東海道五拾三次展
- 公開日
- 2017/05/13
- 更新日
- 2017/05/13
校長室から
名古屋ボストン美術館で行われている、「歌川広重東海道五拾三次展」の鑑賞に行きました。
喜多川歌麿、葛飾北斎らと並んで、世界的に有名な浮世絵師の歌川広重。その広重の代表作である「東海道五拾三次之内」の保永堂版55点<(版元が「保永堂」である作品)と類作(行書、隷書、竪絵)の20点を加えた、75点の展覧会です。
参勤交代の大名行列が朝早くに江戸を立つ「日本橋 朝之景」。
芦ノ湖と富士山を見ながらも、険しい山越えをする「箱根 湖水図」。
深々と夜の街道に降り積もる「蒲原 夜之雪」。
突然の激しい雨の中、歩を速める「庄野 白雨」。
これらは、美術の教科書で見たり、広重の代表作であるため、何度も目にしたりしことはありましたが、日本橋から京都までの全ての道のりを描いた、55点を一同に見ることは初めてだったので、見応えがありました。
もともと、一枚一枚丁寧に筆で描いていた浮世絵でしたが、人気が出てくると、描いていては追いつかなくなったため、「版画」となった経緯があります。
会場には、その「版木」を作る工程の様子や、同じ版に「刷り」を重ねていく段階を並べた様子も紹介されていて、その緻密で繊細な作品作りに驚かされました。
広重の風景画は、朝から夜までの時間帯を様々で、春から冬までの季節もそれぞれであり、雨や雪、風など、自然現象が丁寧に描かれた絵は、当時の人々の暮らしもよく分かります。
展示は明日(14日・日)で終了してしまいますので、「ぜひお出かけを」と言えないのですが、ネット上では、所蔵元の「三菱東京UFJ銀行 貨幣資料館」のサイトや、同じように開催している、新潟県の「知足美術館」のサイトで、見ることができます。そちらで見て、学ぶのもいいかもしれませんね。
今後、機会があれば、ぜひ、ご覧になってはいかがでしょうか。
(※関連サイトは以下をクリック↓)
■三菱東京UFJ銀行貨幣資料館所蔵 歌川広重 東海道五拾三次展:概要|展覧会:展覧会一覧|名古屋ボストン美術館
■歌川広重と東海道五拾三次:三菱東京UFJ銀行
■知足美術館