【校長日記】第2回 菊池省三先生セミナー in 愛知 −2−
- 公開日
- 2015/05/12
- 更新日
- 2015/05/12
校長日記
昨日に続いて、第2回 菊池省三先生セミナーin愛知 の様子を紹介します。
印象に残った言葉・場面を列挙してみます。
・卒業式2日前の学級の動画を見ました。子どもたちによる即席記者会見の場面です。
それぞれが、生き生きとして役割を演じています。遊び心たっぷりで、ユーモアが学級の柱になっています。そこには、教師対子供、子供同士の絶対の信頼感がベースにあるのです。
表現は悪いのですが、「バカになれる温かい人間関係」を感じます。
・「卒業式の練習後のダンスバトル」の動画では、自分らしさを発揮して活躍できるのは、特別活動、係活動ならではと感じました。
学級には、いろいろな子がいます。外国籍の子、特別支援が必要な子もいます。
菊池先生は、「この子は絶対に自分(担任)よりすごい人間なんだ、と思わないと伸ばすことができない。」と言います。
そういう意味で、子供を信じているのです。
・4年生までには教室内を歩き回って、整理整頓もできなくなった子がいました。母親も、「小さい頃からはかわいかったが、今はどうすればよいのかわからない。」
その子が、5年生の中頃からは(多動の)薬も飲まなくなり、今ではいろんな面でリーダーにもなっている。
どんな子でも、安心する集団の中では生かされるのです。
・朝の「質問タイム」、帰りが「ほめ言葉のシャワー」の動画。
M君に対して、みんなが批判をしていました。強烈でした。
しかし、これは厚い信頼感があるからこそできたことです。普通なら、いじめ、学級崩壊です。
最後は、M君をスタンディングオベーションで終えました。
・ちびまる子ちゃんに出てくる通称・野口さんの変容の動画。
「かつては私は群れだった。しかし、このクラスになって自分の好きな自分を見つけた。それがまる子ちゃんだった。自分らしく、…」
12歳の子が自分を俯瞰できるようになっています。
「人のいいところを見つける。相手軸になる。常に考えることが大切。
中学生になって、他の小学校からも人が来て、リバウンドしないかと不安だが、それは自分を信じられないから。」
12歳の発言とは思えません。
・菊池先生はほめ方がうまい。
話し合いの時、立ち上がる子をむちゃくちゃほめました。「相手に伝えようと思ったんだね。それが思いやりというんだよ。」
ある子には、ちょうどよい声の大きさだったね。
ある子には、下半身はどっしりと、上半身はゆったりと。それができていましたね。(態度・姿勢)
あなたは、一瞬前の人の目を見た。読むのではなく話そうとした。偉いね。
あなたは「これで終わります」といった。書いていないけど、とっさに考えた。偉いね。
最後に残った子は何も読まなかった。原稿を見ると場になじまなかった。何も読まなかったことをめちゃほめた。
・(内容 + 声 + 態度)× 思いやり
非言語の部分をほめてやる。
・1分間スピーチより60秒スピーチの方が締まる。59秒スピーチならなおさら。
対話力 = 話すこと × 聞くこと
・朝の質問タイムでは、聞いてうなずいていれば関係性として○。
聞いていない子を見る。
メラビアンの法則 視覚 55%
内容7%も大事だけど、表情、口調、姿勢
お互いを大事にしようねという。
ほめほめ選手権では、プラスのストロークを出しまくる。
・「こそ」の理論
だからこそ がんばろう
・価値語の指導も徹底
1年間 戦略、戦術を持っていないとやっていけない。
軌道に乗ればできる。それまでは我慢。5月は成果が出ない。だから踏ん張る。
・成長ノートに赤ペン。赤ペンは誉めるためにある。
・全国のどの学校で聞いても、教室であふれさせたい言葉は「ありがとう」しかし、一番使っていない人は担任の先生。
赤ペンで「ありがとうと」書ける教師になりたい。
・ほめ言葉のシャワー
気合いを入れたところをほめてくれてありがとう:自己確認。
気づかなかったところをほめてくれた:自己拡大
・この子は、みんなが姿勢を正すまで待っていました。その強さに、教師が気づくようになることが大事。
・授業のところで、黒板を子供たちに開放する。見える化を図る。教師は、司会から消える。
そうすると、子供たちも積極的に参画する。ホワイトボード、画用紙を活用するようになる。教室の中で同時に小集団の話し合いが起きる。それがよい。
話し合いはもっと自由でよい。
・一斉指導のところで、隣の人と相談してごらん。これを普段からやっている。
・対話は人間の総合力。学級力。
変わるものがなければ、対話ではなく会話。
1回も発表しない子がいたがどうか?回数ではない。考え続けるかどうかが大切。それを見える化する。
・話し合いが上手な学級は笑顔。言葉がきつくなっても、笑顔。
・考え続ける人間を育てたい。次の授業までに家で調べてくる子を育てたい。
・掲示物は、最初は教師が作るが、最終的には子供がつくる。
ほめ言葉のシャワーも必要なものは子供がつくる。
それを許してやる。
・国語には絶対解と納得解がある。
絶対解:やはり教える
納得解:ある程度熱のこもった討論をさせる。
そこで話し合いはおもしろいという経験をさせる。
それが、絶対解の時に生きる。
あいつが言ったら終わりだというようにしない。
全体が仲良くなれば高まる。
・受験は団体戦だという人がいる。
それと同じで、個人戦みたいだけど、集団の質が高まれば、通常の教科の学力も上がる。
見通しを持ってやっている。
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これだけではよくわからないかもしれません。
ぜひ、第3回に参加してください。
この会では、コミュニケーションゲームの紹介(写真中)や、若手教師の実践発表(写真下)もありました。
個人的には、二人の実践発表に最も感動しました。
主催されたみなさん、お手伝いのみなさん、そして参加されたみなさん、もちろん菊池先生。ありがとうございました。

